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outdoor life 雪山登山

水の峠〜雑誌山(仁淀川町)

 2017年3月中旬、仁淀川町の雑誌山を目ざす。登山ルートは古くは土佐〜伊予の往還道で、脱藩の道とも一部接すると聞いていたので、あらかじめ『新池川町誌』等を取り寄せる。『町誌』には、「久万町から…、池川町に入り雑誌山の北面の肩道を通り、「水の峠」から池川町土居を経由する予土往還(通称、雑誌越え予州高山通り)」が「養老二年(七一八)に「阿波から直接土佐へ入る新道」が開設されるまで、重要な役割を果たしてきた」(108-9ページ)といった記述がみられる。また、江戸時代の絵図(一八四〇年)には、「水峠」を通って松山領へと至る道が池川郷出入道として記されている。さらに下の地図にも示しているようにルートは少し違うが脱藩の道ともなっていたようである。
 こうして、今回の登山では歴史をたどりながらの山行を予定していた。しかしながら、当日、池川に入るころから数日前に降ったと思われる雪をいただいた山々が目に入ってくる。予想と何か違うものを感じながら、国道439号線をからツボイ・坂本方面へと入って行く。やがて道は狭く曲がりくねった雪道になってくる。しかし生活道なのか雪は路肩へと除雪されていて走行可能。10キロあまり上りつめたところで片道1車線の広い道が忽然と現れる。こちらは林道で除雪されていない。少し進んだところで車での走行も困難となったので、登山ルートを少し変更する。そしてまた、歴史をたどるというイメージも雪で覆われ、薄れたものになって、いわゆる雪山への登山となる。

 現在は使われていない「旧水の峠登山口」から水の峠に向かうことになる。登山道が整備されていないので雑木をかき分けながら積もった雪の中を登る。1時間30分ほどで水の峠に到着。少し休んだ後、さらに雑誌山に向かう。1時間あまり歩き、12時になってもやっと水の峠と雑誌山山頂の中間地点。
雑誌山(仁淀川町)    いつもとは違って40センチほどの積雪の中を登るので歩行速度もゆっくりとしたものになる。前を行く人の足跡に足を入れながら歩くが、日頃使う筋肉以外の筋肉を使っているようでかなりの疲労感を感じる。それでも傾斜がきつくて足を滑らせ粉雪の上に転んだ時にはほんの少し愉快でもあったことから、まだわずかに余裕が残っているのではとも思う。
   この中間地点で昼食を取る。風は冷たく、水の峠で脱いだ服を急いで着る。周りを見廻してもここでは春の兆しはまだ感じられない。小鳥のさえずりもまったく聞こえてこない。景色を堪能し、昼食と会話を楽しんだ後、今回はここまでということにして下山する。

雑誌山(仁淀川町)

【メモ】
●雪で覆われた中を行く山歩きでもあり、メンバーには知識と経験のある人がいることが特に必要。
●標識も隠れがちなので、かなり正確に位置・ルートが確認できるGPSの活躍場面が増える。
●予想外の登山ではあったが、軽登山用の登山靴でもスパッツを履いたので靴に雪や水が入ってきて不快な思いをすることがなかった。


(水の峠〜雑誌山:クリッカブルマップ) 円形 円形 円形 円形 円形 円形 円形 円形 円形 矢印 矢印 矢印 矢印 ビデオ ビデオ
*青太線=自動車ルート、赤太線=トレッキングルート。赤太線上の をクリックすると写真・映像が出てきます。
*この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものである。(承認番号 平29情複、第286号)

(2017年6月30日−imoto)

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