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高知市春野郷土資料館企画展ピックアップ

   春野郷土資料館で2016年6月1日より7月31にまで企画展「豊かでやさしい昭和の知恵袋」が開催されました。
   展示された民具は中野恵子さんのイラストと丁寧な説明書きを通じて春野町の昭和前期の生活を想い起こさせるとともに、現在の私たちの生活のあり方について今一度考えさせられるものでしたので、当資料館の許可を得てその一部をピックアップして紹介していただきます。


行火(あんか)
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布や布団を掛け炭火の熱で手足を温めた「行火」。瓦製だったことに驚いたのと「火事にならなかったのか。」と心配になった。翌朝まで暖かさが残る「湯たんぽ」の湯は、寒い朝の洗顔や洗物にも使われていた。一度使えば終わりではなくいろいろと利用する、その知恵と発想は物が少なく不便だから生み出されたのだろうか…?


陶器製アイロン
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「火熨斗(ひのし)」に代わって使われた「炭火アイロン」は、後に電気の普及によって「電気アイロン」にとって代わられる。戦争で金属不足だった為に、豊富な陶器で作られた「陶器製アイロン」。どちらも庶民の身近な生活用品だが背景には時代の移り変わりが伺え、もの悲しくも感じられた。


蝿とり器
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まずは蝿対策用品の多さに驚いたが、昔の生活風景を思えばさもありなん。特に「蝿とり器」は、柔らかいフォルムの美しさや細部へのこだわりに魅せられ、そのガラスの薄さを作りあげた技術に更に感心した。たとえ蝿を捕らえる道具であっても、さり気ない遊び心に思わずニヤリ。


いずみ
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農耕民族の私たちにとって「稲」は特別な存在。田で黄金の稲穂を稔らせ、刈り取られて「わらしべ」となっても「いずみ」として生まれ変わり、大切な「飯(食)」と「赤子(子孫)」を守る。先祖の智恵と米の連綿とした深い結びつきを感じた。


下駄
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舗装などされていない昔の道では直ぐにちびてしまう下駄の歯。その歯だけを差し替えて永く履き続けるとは…目からウロコ。「壊れた部品を交換」と文字にすれば何も特別な事ではないけれど、作った人の心をも大切に思う古き良き日本の「全ての物に神宿る」に触れたような気がした。


うなぎ獲り
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春野でも一時は盛んだった養鰻業だが今や絶滅危惧種となった「うなぎ」。展示されているのは更に昔の「うなぎ獲り」の様々な道具。この道具を使って、田や家々の近くの小川にもいたであろう「天然うなぎ」を獲る風景が思い描かれる。



(2016年8月11日−中野恵子)

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